2024.08.25
響き合うベース壁紙とアクセント壁紙の選び方
お部屋の多くの面積を占めるベース壁紙の「白」には、実は様々な色相の白があります。そこで過ごす人が気に入ったカラーと響き合う白と、邪魔し合う白があります。ベース壁紙の「白」が建築の当初から決まっていて、建築プロセスの最後にアクセント壁紙だけを選ぶ、という状況があると、アクセントの色とベースの白の色が響き合う組み合わせになっていない場合があります。住設や建材の色の組み合わせも気になるところです。
建築プロセス最初の構想段階で、同じもしくは近いカラースキーム・グループ(RD=赤, YL=黄, GN=緑, GG=グレージュ, GY=グレー, BL=青, LL=ライラック)の中から、そこで過ごす方の個性でカラーと、そのカラーを包み込むベース壁紙の「白」との組み合わせを選んでおくことをおすすめします。間取り等が決まっていなくても、尺角サンプルでABテスト(比較体験)して組み合わせを仮選定することができます。もちろん詳細設計以降であっても、最終決定までは調整が可能な場合があります。
ひとまず、体験的なご理解を導くため、下記の図の右端の「バロックな重厚感」があるレッドから、「ロマンティックな」ピンクなどを通って、左端の「ドラマティックな重厚感」があるパープルまで、どの色がお好きか、一色、選んでみてください。
例えば、ロマンティックなピンクのRE55054「コスモス」を選んだならば、それがLL=ライラックのカラースキーム・グループに属するため、LLのグループの色ならどれと組み合わせても響き合う感じが得られます。「コスモス」のすぐ下のRE55049「十五夜」は、両者を並べて使うととても響き合うものであることがわかります。
特に、RE55054「コスモス」と響き合うベースの「白」をお探しでしたら、RE55023「雪だるま」や、RE55048「すすき」などが良い、ということがわかります。ベース面の「白」はいままで簡単に量産クロスが適用されてきましたが、このようにきちんと選んでもらえると、量産からAAに選定のベーシックが変わってくる流れを、少なくともリビングだけでも起こすことができます。
以下の図は、サンゲツ・リザーブ2024デイリーパレット46色と、不足する色をモリスの単色、EDAの単色から追加した55色を、色相環一周分のカラースキーム・グループ(RD=赤, YL=黄, GN=緑, GG=グレージュ, GY=グレー, BL=青, LL=ライラック)それぞれに対応するものでグルーピングしたものです。
18世紀にニュートンが考案した色相環に基づいていて、世の東西を問わず普遍的に「色の広がりをモレなくカバー、盲点をなくして各色の違いをダブりなく(=色相MECE)」ユーザーが体験して比較できます。
そこで過ごすご本人の望まれるカラースキーム・グループを、ひとつの「基準」として建築デザイナーと共有することで、構想段階から基本設計、詳細設計へと、住設や建材、内装だけでなく外壁やエクステリアを含めた様々な建築エレメントを選定していくプロセスが楽しくなります。効率が上がるだけでなく、自分自身の好きなデザインへの理解が深まるものになっていきます。引き渡し後に月日をかけて行うリノベーションも楽しみです。